声優インタビュー
竹達彩奈(ウィステリア役)×今柳りさ(ダイアナ役)
アニメ『ノケモノたちの夜』もいよいよシリーズ後半に突入! そこでウィステリア役竹達さんとダイアナ役の今柳さんに、シリーズ前半を振り返りつつ、それぞれのキャラクターのお話を伺いました
シリーズ前半、辛いよNo.1エピソードは?
―シリーズ前半となる第6話までで印象的だったシーンを教えて下さい。
竹達:悩みますね。やっぱり『ノケモノたちの夜』って、心にぐっとくるようなシーンが凄く多いんですよね。心温まるシーンもあれば、辛いよっていうシーンも凄く多くて。凄く辛いよナンバーワンは、やっぱりダイアナさんのご家族がダイアナさんを守るためにナベリウスを召喚して……っていうところ(第四夜)。あそこが結構辛くて、原作を読んだ時もどれだけ涙をしたか分からないっていうぐらい辛かったシーンです。
もう1つ言うのであれば、辛かったけど何かちょっと心温まるというか、なんか素敵だなって思ったのがモリーとハリエットのお話(第三夜)。 またこれが辛いんですけど、悪魔でも人を思う気持ちがあって、ハリエットが亡くなっているのが分かった上で、お互いを思い合える絆が凄く素敵だなって。私の中ではこのエピソードが辛い&ほっこり温まるエピソードとして好きなんです。
―今柳さんはいかがですか?
今柳:私はアニメ初レギュラーなので全部が全部印象的すぎて。やっぱり第4話から第6話までの3話になってしまいます。竹達さんもおっしゃっていた、家族が自分を代償にナベリウスを召還してダイアナを守ってくれたシーンが特に辛くて……。それに、第6話最後の、ダイアナの頑張りが努力が報われるシーン。そこでウィステリアたちが良かったねと泣いてくれたところが凄い良かったなって思いました。
―マルバスもナベリウスも、我々がイメージする悪いだけの悪魔ではないですね。
竹達:悪魔の孤独感というか、長い年月を1人で生きてきた切なさみたいなのも感じますし。それが人間という契約者を通して人間臭くなっていくというか、成長していく姿というのが、見ていて凄く心温まるなって思います。
魂のレベルの高いウィステリアとダイアナ
―それぞれ演じられているキャラクターについてお話を伺いたいと思います。まずはウィステリアについて、竹達さんはどういう人物だと感じていますか。
竹達:ウィステリアは、とにかく純粋で真っ直ぐで、とても一生懸命な女の子だと思います。凄く辛い境遇のはずなのに、魂が汚れていないというかずっと綺麗なままというか。すれない感じっていうんですかね。人間って辛い目にだんだん合ってくると、だんだん心がすさんでくるじゃないですか。そんな中でもウィステリアは常に真っ直ぐでひた向きに生きているっていうのが凄いなって思いますし、どんな状況でも自分だけじゃなくて周りの人のことを思えるっていうのが凄いことだなって思うんです。
自分も辛い目に遭っているし目も見えないわけで、結構大変なんですけど。それでも、マルバスはもちろんですしダイアナたちだったりとかみんなのことを心配して、何か自分にできることをって常に考えている子なので……。尊いですよね(笑)。そんな魂のレベルの違いの差っていうのが多分マルバスのお眼鏡にかかったじゃないですけど、悪魔が見えるっていうことも含め、マルバスは「おっ!」ってなったと思うんです。ウィステリア自身の魂の綺麗さっていうのも悪魔が見えることに関係しているんじゃないかなって思います。
―演じる上でポイントしていることはありますか?
竹達:私は人間なので……。やっぱり欲深い人間なんです(笑)。なのでやっぱり、ちょっと汚いこととかも考えちゃったり、ふと思ったりするんです。お金欲しいなとか。美味しいものいっぱい食べて、幸せになりたいなとか(笑)。欲を出しがちではあるんですけど、その中で自分の中にある良心とか優しい気持ちみたいなものを増幅させていくというか、ちょっとずつこう大きくしていくみたいな感じっていうんですかね、イメージとしては。それを究極大きくしたらウィステリアに近づけるのかな、みたいな感じかな。
あとは、子供がイメージに近いのかなって思ったんです。子供の純粋さというか優しさが凄く近いのかなって。それに親子の思いやり。子供がお母さんを思う気持ちとか、お母さんが子供を思う気持ちだったりとか。見返りを求めない感じの愛情っていうんですかね。そういうのが近いのかな。なので、自分の家族のことだったりとか……。あと、インスタとかにアップされている親子のストーリーみたいな漫画とか、そういうのを読んで、色んなところから情報という引き出しを貰って……。色々想像したりしていました。
―今柳さんはウィステリアをどういうキャラクターとしてみていますか?
今柳:ウィステリアはとにかく素直でも真っ直ぐでひたむきで、本当に穢れがない子ですよね。誰も敵わない強い女の子だなって。魂が本当に綺麗だなって思います(笑)。
竹達:悪くいえば人間っぽくないという(笑)。ちょっと人間離れしてるところがあるから、マルバスとも合うのかも。
今柳:それに戦えるし。
竹達:そうなんですよね。
今柳:本当に凄い子だなって思っていて。ダイアナのシーンでも自分を顧みずに鼓舞してくれたりとか、そういうシーンが凄くウィステリアらしいなって思います。
―ダイアナはいかがでしょうか?
今柳:ダイアナは、とにかく貴族で凛としていて自分の誇りもしっかり持っていて。ダイアナも凄い強い子だなって思っています。家族全員いなくなってしまっている状態で戦う覚悟を決められるっていうのが凄い。ダイアナもウィステリアも強いですね。
―竹達さんはダイアナをどうみていますか?
竹達:ウィステリアとあまり年齢が変わらないはずなのに、とても大人びている子だなと感じました。それは家柄というのもあると思うんですけど、自分がしっかりして、家の誇りというものを守らねばという大きな決意を持って生きている子なので、14歳とは思えないような。……なんて言うんだろう。ウィステリアとはまた違う魂のレベルの高さというか、気位の高さみたいなの凄く感じる子だなって思いました。背負っているものが違いすぎるという(笑)。
―2人とも強いという部分は似ていますが、ちょっと違いますね。
竹達・今柳:そうなんですよね。
竹達:ダイアナさんにも言えるのは、やっぱりちょっと人間離れしてるとこがあるというか(笑)。
今柳:そうなんです(笑)。
―ダイアナを演じる時のポイントなどありますか?
今柳:ウィステリアとワイワイする面もあったりしますが、基本は凛としたと少女。とにかく覚悟と誇りを絶対に忘れずに、そこは凄く気にしてました。ちょっとでも気を抜くと、ダイアナじゃなくなってしまうので。
契約した悪魔は、犬と猫??
―お2人が演じるキャラクターがそれぞれ契約している悪魔の紹介してください。
竹達:マルバスは大悪魔といわれているだけあって、とてつもなく強いです。最初は結構怖いキャラクターというか、底が知れない怖さみたいなのを結構こうピリッと感じるシーンが多かったんですけど、ウィステリアと一緒にいるとマルバスの可愛い面というか、柔らかい部分みたいなのがたくさん見えてきて……。それをウィステリアが引き出しているのか、元々ある面なのか分からないんですけど、それが凄くマルバスの魅力になっていますね。悪魔としての怖い部分とウィステリアと過ごすにつれて見えてくる優しい部分のギャップにキュンとしてしまうかも(笑)。
ちょっと人間っぽい感情をだんだん見せてきてくれるところが、マルバスの素敵なところだなって思います。ナベリウスに対しても、昔の仲間っていうのもあって2人で喧嘩してるところとか、犬と猫の喧嘩じゃないですけど(笑)なんかキャンキャンしてる感じがとても微笑ましいなって思います。
―今柳さんからはナベリウスの紹介をお願いします。
今柳:ナベリウスは作中にもセリフとしてあったように、悪魔にしては人間味があるような悪魔なんです。マルバスとコミカルに話しをする場面も面白いですけど、やっぱり悪魔らしい物騒な部分もあったり。口ではあんまり出さないけどダイアナのことをすっごく大切に思ってくれたり、ダイアナのため怒ってくれたり。意外と義理堅いキャラクターなんだなって凄く感じています。
竹達:やっぱり犬ですよ(笑)。
今柳:犬ですよね、本当に(笑)。
竹達:忠犬感がナベリウスから凄い感じますね。マルバスって、やっぱりなんか猫っぽいんですよ。
今柳:分かります。
竹達:マルバスって優しいんですけど、最初に1回突き離したりとかするんですよね。
今柳:うんうん。
竹達:「俺は手を出さないからな」みたいな感じで、結構ツンを出してくるんですけど、最終的にデレるんですね。でも、ナベリウスって基本的に最初から「守るぜ俺は」みたいな感じなので、なんかそこは犬と猫の違いみたいな(笑)。わざとそうやって描かれているのか、たまたまなのか分からないんですけど、凄く感じる時があって。
今柳:本当に(笑)。
竹達:猫っぽいとか犬っぽいって感じる時、凄いあります。ダイアナもなんかこうおっきい犬飼ってるみたいな気持ちになるのかな? そんなイメージで私は見ていました(笑)
今柳:そうなんです、おっきい犬を飼っているような。で、頑張って躾けて。
―今柳さんはウィステリアとマルバスの関係はどのように見ていますか?
今柳:2人は最初から信頼関係が凄くて。お互いを大切に思ってるのも伝わってくるし。2人ともちゃんと言葉にして伝え合っているのが凄くいいなって思います。だから、2人ずっと一緒にいてほしいなって。ウィステリアも凄い素直だし。多分それに引っ張られてマルバスもちゃんと口に出してるっていう。これはデレですかね。
竹達:ウィステリアは多分ちゃんと言葉にする子なんでしょうね。凄く真っ直ぐ伝えるから、それにマルバスが感化されていくのかなって。
今柳:可愛いですね。
竹達:うん。可愛い。
―なんだか、人間の方がちょっと人間っぽくなくて、悪魔側の方がなんか人間っぽいって感じですね。
竹達:もちろんウィステリアも人間ぽいところはありますし、マルバスはマルバスでやっぱり悪魔っぽいちょっと怖いところもあったりしますけど。それがいい感じに2人とも混ざり合っていい感じの空気感を出してるのかな。
―恋愛をしているカップルとまた違いますね。
竹達:恋愛に近いところもありつつ、やっぱなんか家族愛みたいなのにも感じたりもします。なんか不思議な関係だなっていうの凄い感じますね。たぶん自分の持ってない足りないもの、欲しいけど足りないものみたいなのをお互いが補ってる感じが凄くするんです。それこそ家族だったり愛情だったり優しさだったりとかもそうですけど、みんな孤独みたいなものを抱えて生きてて……。
「ノケモノ」って言われてるくらいなので、暗いところを歩いて生きているくらいの感じの人たちが寄り添い合った時に、お互いが求めている、欲しかったものが、そこにあったっていうのが近いのかなって思います。
シリーズ後半、キャラもバトルもどんどん盛り上がります!
―いよいよシリーズ後半、今後の見処なども含め作品を勧めていただけますか。
竹達:いろんな悪魔が出てきます。
今柳:まさにそうですね(笑)。
竹達:マルバスだったりナベリウスの過去に関わってくる悪魔たちなので、その悪魔たちとどうドラマが広がっていくのかっていうのを楽しみにしていただきたいですね。
今柳:あとは、剣十字騎士団とのさらなる因縁とか。新たなキャラクターたちの戦いなど……。どこまで言っていいんだか分からない(笑)。
竹達:キャラクターがどんどん成長していきます。辛い目に合えば合うほど、悪魔側も人間側もどんどん成長していく姿が描かれていきます。そしてバトルもどんどん。
今柳:激しくなります。
竹達:どんな感じで描かれていくか私も分からないんですけど。でも、戦いが多いです!
今柳:多くなりますね。
竹達:あとは、お兄ちゃんとの関係とかも変わっていくと思うので、その兄妹愛みたいなところも楽しみにしていただけたら嬉しいです。
―ありがとうございます。シリーズ後半も楽しみにしています。